毎日の調理に欠かせないアイテムのフライパン。特にフッ素樹脂加工(テフロン加工)のフライパンは、焦げ付きにくく手入れも簡単なため、多くの家庭で愛用されていますよね。ですが、最近では「フッ素樹脂加工には健康への悪影響があるのではないか」という声を耳にすることも増えました。

テフロンのフライパンは使わない方がいいのかな?
安全なフライパンはどうやって選べばいい?
できれば使いやすいものがいいんだけど。
私も買い替えにあたって、どんなフライパンがいいのかとても悩んだので、この記事では、フッ素樹脂加工が有害とされる理由と、安全安心なフライパンの選び方について解説します。
フッ素加工を使用しない、安全かつ使いやすいフライパンもご紹介しますので、健康を意識してフライパンを選びたい方や、買い替えを検討中の方にぜひ参考にしていただければと思います!
フッ素樹脂加工フライパンは危険なのか?
いわゆる「テフロン加工」と呼ばれ、多くの家庭で長く親しまれているフライパンは、フッ素樹脂でコーティングされたフライパンのことを指します。ほかに「ダイヤモンドコート」「マーブルコート」「チタンコート」などもフッ素樹脂でコーティングされたものです。
フッ素樹脂自体の安全性は?
・フッ素樹脂にはさまざまな種類があり、一般的にフライパン等の調理器具に使用されるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の発がん性は指摘されていない。
・コーティングがはがれて飲みこんだとしても、体内に吸収されずに排出される。
・加工助剤として使用されていたPFOSやPFOAは発がん性のリスクや環境汚染の要因となるが、どちらも現在は輸入や製造が認められていない。
出展:食品安全委員会、神奈川県有機フッ素化合物に関するQ&A、安田精機
フッ素樹脂自体が健康に影響を与えるという報告はないようです。
また加工助剤として使用され、発がん性のリスクなどが指摘されていたPFOSは2010年に、PFOAは2021年に国内において製造・輸入が禁止されており、今はフッ素樹脂加工フライパンには使われていません。
では、フッ素樹脂加工フライパンが有害だとされる理由はどこにあるのかを見ていきましょう。
フッ素樹脂加工フライパンが危険と言われる理由
・フッ素樹脂(PTFE)加工のフライパンは加熱しすぎると有毒ガスが発生する可能性があり、インフルエンザに似た症状や呼吸困難、頭痛等のリスクがある。
フッ素樹脂加工のフライパンは260℃が使用上限温度とされ、350℃を超えると熱分解が始まり、有害な微粒子状物質やガスが発生するそうです。通常食材が入っている際の調理温度は150℃~190℃ぐらいですが、空焚きをすると5分で350℃に達することがあり、また食材が入っていない部分は常に空焚き状態となるため、使用方法には十分注意が必要なことがわかります。
上記のような理由から、フッ素樹脂加工フライパンは危険だと言われているようです。
そのため、フッ素樹脂加工フライパンを使用する際には、以下のようなことに注意が必要です。
・空焚きはしない。予熱や水分を飛ばすための加熱もできるだけ避ける。
・急に冷やすとコーティングが剥がれやすくなるため、急に冷やさない。
・金属製のヘラや研磨剤入りのクレンザー、たわし等を使わない。
安全なフライパンの選び方
体に害のない安心安全なフライパンとは、有害物質を含むコーティング剤で表面加工を施していないフライパンだと言えます。
そのようなフライパンとして挙げられるのが次の3つの素材を使用したフライパンです。
1. セラミックフライパン
2. ステンレスフライパン
3. 鉄フライパン
それぞれの素材について、特徴や使い勝手の良さ、メリットやデメリットをまとめてみました。
フライパンの素材 | セラミック | ステンレス | 鉄 |
特徴 | ・有害物質(POFAなど)ほかPTFEも不使用 ・耐熱温度は400℃だが、強火調理でコーティングが剥がれやすくなる ・焦げ付きにくく軽量で扱いやすい | ・耐久性が高く、保温性に優れている ・高温調理に向く ・温まりにくく冷めにくい ・金属ヘラOK ・扱いに慣れが必要 | ・熱保持力が高い。使い込むことで表面が油膜で滑らかになり、焦げ付きにくくなる ・焼き物や炒め物に向いている ・慣れれば使いやすい |
使い勝手 | |||
メリット | ・焦げ付きにくく手入れも簡単 ・油が少量で済みヘルシー ・熱伝導が良く遠赤外線効果で食材に素早く熱が伝わる ・軽量で扱いやすい | ・高温調理に強く、香ばしさや風味を引き出しやすい ・耐久性が高く長持ちする | ・非常に耐久性が高い ・鉄分が自然に溶け出し健康にも良い |
デメリット | ・強火調理に向かない ・長期間の使用や高温調理でコーティングの劣化や剥がれが生じる | ・焦げ付きやすく、扱いに慣れが必要 ・重い | ・使用後のメンテナンスが必要 ・重い |
向く料理 | 弱火〜中火での調理 ・卵料理(卵焼きやオムレツ) ・焼き魚やムニエル ・炒め物 | 弱火~強火での調理 ・肉料理(ステーキやハンバーグ) ・炒め物 ・煮込み料理 ・揚げ物 | ・餃子 ・肉料理(ステーキやハンバーグ) ・中華料理や炒め物など |

使いやすいのはセラミックだけど、強火調理には向かないのね。
表からもわかるように、素材によって調理の向き不向き、使い勝手が異なるため、使い勝手のよいセラミックフライパンを1つ持っておき、強火調理もできるステンレスまたは鉄のフライパンを使い分けるのがおすすめです。
ちなみに、目安の調理温度は
強火 200℃以上 中火 160~180℃ 弱火 150℃前後 です。
素材別のおすすめフライパン
おすすめのセラミックフライパン
グリーンパン(GREENPAN)
グリーンパンは、世界で初めてフッ素樹脂を使わないセラミックコーティングフライパンを開発したベルギー発のブランド。
健康や環境への配慮がなされた「カラダにも地球にも優しいフライパン」として、とても人気があります。
PFOA、カドミウム、鉛などの有害物質を一切使わないのはもちろん、一般的にフライパンに使われるフッ素樹脂(PTFE)やその他の有機フッ素化合物(PFAS)を使用していないのが最大の特徴で、安心して使うことができますね。
グリーンパンの優れた特徴
・有害な化学物質を一切使用せず、高温でも安全。
・食材がくっつきにくく、油を少量でも調理が可能。
使いやすさ:基材はアルミニウムで熱伝導が良く、軽量で使いやすい。
耐熱性:450℃までの耐熱性がある。
環境に優しい製造プロセス:製造時のCO₂排出量を削減し、環境に配慮。
デザイン性:シンプルでスタイリッシュなデザインが特徴で、キッチンに映える。
メンテナンス:手入れがしやすく、洗いやすい。
いろいろな大きさ、シリーズが出ているので、きっとあなたにピッタリの1品が見つかるはずです。
公式サイトグリーンパン オフィシャルショップなら10%OFFで購入できます!
ちなみに、2024年上半期のランキングTOP10はこちら!
どれがいいの?と悩んだ際の参考にしてくださいね。
Amazonや楽天での人気商品は↓↓↓
ヴェニス プロ:スタイリッシュなカラー×ステンレスのハンドルが魅力
メイフラワー:ノスタルジーな雰囲気がかわいい
ウッドビー:ホワイト×ウッドが美しい
バッラリーニ(Ballarini)

バッラリーニは1889年創業のイタリア発の老舗ブランド。130年以上の歴史を誇るバッラリーニは、イタリアの伝統を受け継ぎながら、最先端の技術を取り入れ、環境への配慮と使いやすさを兼ね備えたフライパン作りを行っています。
また、Made in Italyのバッラリーニのフライパンは、機能性だけでなくスタイリッシュなデザインも魅力のひとつ。ハンドルには、人間工学に基づいた設計を採用し、長時間の調理でも疲れにくい仕様になっています。
セラミックフライパンは2025年時点で3種類。
カラフルな色を取り揃えたカプレラと取っ手が取り外せるタイプのヴィンチ、そして100%リサイクルアルミ使用のエコフライパンレドロ セラミックがあります。
カプレラの特徴とおすすめポイント
コーティング | ケラグロス・コーティング(セラミック) |
直径の種類 | 20・24・26・28(浅・深)cm |
カラー | ハーブグリーン、ピンク、レッド、ライトブルー |
基材 | アルミニウム |
耐熱温度 | 160℃ |
対応熱源 | IH・ガス火を含む全てに対応(オーブン不可) |
金属ヘラ | 使用不可 |
食器洗い乾燥機 | 使用可 |
サーモポイント | あり |
バッラリーニ独自の新しい「ケラグロス・コーティング」(セラミック)を採用し、従来のコーティングから耐久性が2.3倍UPしています!
フッ素樹脂(PTFE)を含むPFAS、有害とされるPFOA、重金属を一切使用しない安全なコーティングです。
調理開始の最適なタイミングを知らせるサーモポイントつきなのも魅力です。ハンドル根元の緑色の丸が加熱することにより赤色に変わることで予熱が完了したことがわかって便利。また調理後も、緑色に戻ってから洗うことにより、急激な温度変化を防ぎ、コーティングを長持ちさせます。
ヴィンチの特徴とおすすめポイント
コーティング | セラフォース・グラニチウム・コーティング(セラミック加工) |
直径の種類 | 20cm/26cmセット・24cm/28cmセット |
カラー | アイボリー |
基材 | アルミニウム |
耐熱温度 | 取っ手を外して230℃まで |
対応熱源 | IH・ガス火を含む全てに対応(オーブン可:取っ手を外して使用) |
金属ヘラ | 使用不可 |
食器洗い乾燥機 | 使用可 |
サーモポイント | なし |
「セラフォース・グラニチウム・コーティング」は、PFASを使用せずバッラリーニ独自の2層構造のセラミックコーティングで耐久性を高め、使い始めのツルッとした使い心地を追求、従来のコーティングから耐久性が3倍UPしています!
取っ手はワンタッチで付け外しが可能なので、調理して熱々のお料理をそのまま食卓へ出したり、取っ手を外してオーブンでお料理したりすることもでき、多用途に使えるのがうれしいポイント。
朝食やお弁当など「ちょこっと料理から主菜まで」に便利な20cm/26cmセットと「家族分のおかずをたっぶり」作るのにぴったりな24cm/28cmセットの2種類のサイズセットが展開されています。
レドロセラミックの特徴とおすすめポイント
コーティング | セラフォース・ブラック・コーティング(2層セラミック加工) |
直径の種類 | 20・24・26・28cm |
基材 | アルミニウム |
耐熱温度 | 150℃まで |
対応熱源 | IH・ガス火を含む全てに対応(オーブン不可) |
金属ヘラ | 使用不可 |
食器洗い乾燥機 | 使用可 |
サーモポイント | なし |
「 セラフォース・ブラック・コーティング」は2層構造のセラミックコーティングで、PFASを使用せず、安全性はもちろん100%リサイクルアルミを使用した環境にとても優しいフライパンです。従来のコーティングから耐久性が3倍UPし、長期間滑らかな使い心地が持続します!
厚みのある底面設計のため熱が均一に広がり、高い熱伝導性で短時間での調理が可能。忙しいママにもうれしい使い勝手です。
おすすめのステンレスフライパン
ビタクラフト(Vita Craft)
ビタクラフト(Vita Craft)は、アメリカ発祥の調理器具ブランドで、特に高品質な多層構造のステンレス鍋・フライパンが有名。プロの料理人から家庭のキッチンまで、世界中で支持されているブランドです。高品質なステンレスを使用し、長年使える設計なので、お気に入りの1つを見つけたらずっと愛用できますね。製品によっては10年保証付きです。
ビタクラフトは本体とフタが密着するように設計されているので、何といっても無水調理・無油調理ができることが大きな特徴。素材の水分や油を使わず、ヘルシーに調理できるのが健康志向の方にはとてもうれしいですよね。無水調理で茹でた野菜は、栄養素の流出を最小限に抑え、栄養素の8~9割をキープできるそうですよ。

私もステンレスのフライパンやお鍋はずっと愛用中です。
もう30年近く使っていてまだ現役のものもありますよ!
ビタクラフト Nシリーズ フライパン
ステンレスフライパンは3層や5層構造が一般的ですが、Nシリーズは全面7層構造を採用。5層よりも熱効率が高く、より食材が焦げ付きにくいステンレスフライパンです。もちろん無水調理・無油調理可能。こちらは10年保証付きです。
ビタクラフト「コロラド」フライパン
コロラドシリーズは保温力に優れ、熱伝導がよく熱ムラのない全面5層構造のステンレスフライパン。こちらも蓋つきで無水調理・無油調理が可能。鍋型の形なので、ご飯を炊いたりケーキを焼くことも可能で様々な料理に使えるオールマイティタイプ。オールステンレスでスタイリッシュなのもうれしいですよね。
フィスラー
フィスラーは180年の歴史を誇るドイツの高級キッチンウェアブランド。
フチは液垂れしない設計が施され、底面は熱伝導の高いアルミ合金素材を保温性の高いステンレスでカプセル状に包み込んだフィスラー独自の3層構造を採用。これにより熱ムラを作らず効率よく熱を通し、高い保温性を実現します。
フィスラー オリジナル プロフィ コレクション 「ノボグリル」あり/なし
オリジナルプロフィコレクションは熟練したプロのシェフと共同開発によって誕生したシリーズ。
フィスラー独自の技術「ノボグリル」の凹凸のある調理面により、素材の脂が出やすく、凹部分に食材の脂分がたまり、たまった脂で焼き上がるから少しの油で表面はカリっと中はジューシーに調理ができます。
「ノボグリル」なしのプレーンな底面のフライパンも選べます。こちらはパンケーキなども均一できれいな焼き目に仕上がりますよ。
世界中のレシピに対応できるリットル/クォート併記の目盛付きなのも便利でうれしい機能。ドイツ製で、15年保証付きというのも確かな品質の証ですね。
フィスラー カターニャ フライパン
人間工学に基づき、持った際の重さを軽減させるようにデザインされたハンドルは、裏面まで丸みをもたせた形状だから手に馴染み、握りやすいのが特徴。フックにかけられるループも便利ですね。こちらは中国製です。
宮崎製作所 ジオプロダクト ソテーパン
こちらもオススメ。日本製で全面7層構造、高品質かつ高機能で美しいソテーパンです。ソテーパンなので、ご飯を炊いたりケーキを焼くことも可能、パスタソースや煮込み系など様々な料理に使えるオールマイティタイプで便利です。
ステンレスお得意の無水調理・無油調理ももちろん可能。フチは注ぎやすく、液だれしにくい形状ですが、ムダのないシンプルなデザインで、お手入れも簡単です。安心の15年保証付きです!
ツヴィリング (ZWILLING)
ツヴィリング バイタリティ フライパン
実用性と高い機能を持つヴァイタリティシリーズです。ステンレス×アルミ×ステンレスの3層構造による高い熱伝導性で、熱がすばやく均一に広がり、焼きムラや焦げつきを防ぎます。
マットな質感のステンレス仕上げはおしゃれなキッチンにも映えますね!
おすすめの鉄フライパン
ビタクラフト (Vita Craft) スーパー鉄フライパン
鉄フライパンの常識を覆すサビにくく、お手入れ不要な鉄フライパンなので、鉄フライパン初心者におすすめ!
使い始める際の「焼き入れ」や、使用後の「油ひき」など、従来の鉄フライパンに必須だった面倒なお手入れは全く必要ないという優れモノ。使用後はぬるま湯でさっと洗うだけなのでお手入れ楽ちん。
さらに鉄の弱点「錆びやすさ」を、ビタクラフト独自の「窒化4層加工」でクリアし、高火力に強く、焦げ付きにくい鉄フライパンを実現しました。表面コーティング加工のフライパンとは違い性能が劣化したり剥がれる心配もなく、鉄なので、金属製のキッチンツールやヘラの使用も可能です。
リバーライト 極JAPAN 鉄フライパン
こちらも独自の窒化加工でサビにくさを実現した鉄フライパンです。使い始めの「油慣らし」、毎回使う前の「油返し」などは必要ですが、初心者にも育てやすい鉄フライパンとして人気があります。
まとめ
いかがでしたか?フッ素樹脂加工のフライパンは、正しく使えばそれほど危険ではない一方で、高温での使用や空焚きによってリスクが高まることも事実です。だからこそ、健康や環境に配慮したフライパンを選びたいという方は、フッ素樹脂を使用しないセラミック・ステンレス・鉄などの素材を選ぶのがおすすめです。
それぞれに特徴や使い勝手の違いがあるので、料理のスタイルや好みに合わせて、フライパンを使い分けるのがベスト。まずは軽くて扱いやすいセラミックを1つと、高温調理用にステンレスや鉄のフライパンを使いわけできると良いですね。毎日使う道具だからこそ、安心して使えるものを選んで、楽しく健康的な食生活を送りましょう!